猫と恋人とTakato。

三十路が語るあれやこれや。

自分はパンセクシャル。性自認のきっかけ③。

〜最近の会話〜

俺:あのさ、独身長いと人ってパワーストーンだの、開運グッズだの集める傾向があるみたいだよ。クリスタルをちーーーん♬って鳴らして浄化みたいな。俺も30代だし、破局したらこうなるのかな?。総太のいない人生寂しいんすけど。

総太:そうなの?。でも、別れないから大丈夫だよ(o^^o)。

俺:そうだな。大丈夫大丈夫。ずっと一緒だし。




…………




………………………………?!!








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あったし。気付かないうちに片足突っ込んでいたらしい。

 

さて、前回俺自身の中で何かがぷっつんしたところまで、お話ししました。

(場面飛んで)お互い落ち着いた後、彼がゲイだということ。以前から俺が好きだった事を伝えられました。

ほんと、気付かなかった。

女性経験しかなかった俺にとっては初めての事。混乱もしていたので、総太自身俺からの返事は聞いてきませんでした。

そのあと、総太は友達に会う予定があるというのでバス停まで送り、その日は別れることに。

家に帰ってからは脳みそフル回転で起きた事の整理。

何が起きたのか、なぜ自分は受け入れたのか、これからどうするべきか。そもそも、俺ってゲイだったのか?。それともバイ??。まずは、そこからだよなと思い検索。

しかし、

ゲイ………ではない。男が好きという訳ではないのだ。男体をそういう目で見たことはないし、顔は“自分がなりたい顔”かどうか目線で見るだけ。しかし、少なくとも総太を受け入れた俺がここにいる。

バイ………男性とキスとかしてしまった俺はこれなんだろうか。しかし、ネットで探してもいまいちピンと来ない。男と女の『性』両方に惹かれる人とか書いてあったが、何かが違う。

そもそも、『性』とはいわゆる物理的な話なら男なら男性器、女性なら女性器の事。

それ以外の性の特徴は男なら筋肉や大きい身体つき、低い声、顔立ち。女性は胸や丸みのあるお尻、白い肌や高い声、そして男よりは可愛い顔立ち。

総太は小柄だ。俺も背は高くないが、総太はもっと低い。顔も男にしては可愛い部類だ。個人的に女性の胸は好きなのだが、総太にはない。

『両方の性』に惹かれるというピースがどうしてもうまく嵌らない。俺は総太の何が良くて受け入れたんだろう。あの時はなぜか、受け入れたらどんな顔するのだろうというある種の興味だったが。

とりあえず、男友達で同じ事を想像したが光速でやめた。申し訳ないが、リアルで裸すら見たくない。では、女友達で想像してみる。これも光速とまではいかないが、ハイパー音速でやめた。一緒に風呂に入っても反応の『は』の字もないだろう。

じゃぁ、総太ならどうだろう。思い出してみた。彼は終始一生懸命だった。彼から好きと言われなくても、俺が好きなんだなってのがわかるくらいだった。

俺はそれが決して嫌ではなかったのだ。むしろ、可愛く感じたのが本音だろう。

ラチがあかなかった。前からTakatoは変わってると言われることは多々あったが、自分で認識したのははじめてだった。

結局その日はセクシャリティの答えは出なかった。

次の日は月曜だったので出勤したが、仕事が手に付かなかった。何をしてもあの事を思い出してしまう。職場にもゲイはいたが、可愛いとはちっとも思えなかった。むしろ、声デカすぎてその口にマウス突っ込むぞとまで思った。続いて誰もが迫られたら一夜を共にするだろう美女をちらっと見たが、俺にはその願望はなかった。素晴らしい胸の持ち主だが、触りたいと思わなかった。

以前、同僚の男性陣が美女についてやたらとはぁはぁ言っていたが、俺は余り関心がなかった。人となりに惹かれるものがなかったのだ。いい人だけど、心が惹かれない。共鳴しないのだ。

ここで、セクシャリティについて考えるのをやめた。

総太は今何をやっているのだろうか。同じように悩んでいるのかな。そういえば、告白されてるんだよな。

……………告白?!!

そうだった。俺は好きって言われてたんだ。

なのに、答えを返しもせずただ自分の事で悩んでいるだけだった。急に情けなくなった。切り口を変えることにした。

好きという告白の答えはいつの世も「よろしくお願いします」か「すみません」と決まっている。付き合うか、付き合わないかだ。これほど、はっきりした答えはないと思う。友達からという人もいるが、俺はそういうのが大嫌いだった。

よろしくの場合:茨の道を進むだろう。孫の顔云々もある。この国は同性結婚は許されているが、それでもまだまだ偏見でいっぱいだ。キリスト教がメインなので、気持ち悪いという人も少なくない。親戚は素でうざいが、更にうざいだろう。

付き合わなかった場合: きっといつか女性と付き合って、結婚して、子供産んで、孫の顔見せて。一般的な幸せというのを目指すのか。家庭に憧れはなかったが、普通といえばそれが普通なのだろう。

でも、総太は?。他の人を好きになるのだろうか。

彼はいい奴だ。真面目。捻くれているところもあるが、俺に対してはいつも素直だった。お祭りの日、日本語のドラマのDVDコーナーを見つけて漁っていたのがなんか面白くて微笑ましかった。帰りのバス、隣で寝こけて初めて寝顔を見た。彼の研修の日では一生懸命練習してて、俺の声にも気付いてなかったのも逆にほっこりした。
素直で、一生懸命になると周りが見えなくて、でもどことなく影も見え隠れしてて。

総太が違う誰かの所へ行くかもしれない事実が突然無性に腹立たしくなった。よくわからなかったが、冗談じゃないと。

セクシャリティなんて今はどうでもええわ。

その日の夜、総太に電話して土曜きてくれと告げた。話があると(今思うとこれ言われると超絶怖い気がする。申し訳なかったと思う)。

その④に続く。